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zenon 8.20提供開始

リンクスでは、6月15日より、SCADA/IIoTソフトウェアプラットフォームの最新版「zenon(ゼノン) 8.20」の国内での提供を開始しました。
リンクスは、2017年にCOPA-DATA社(Ing. Punzenberger COPA-DATA GmbH)と日本国内における総代理店契約を締結して以来、同社が提供するSCADA/IIoTソフトウェアプラットフォーム「zenon」を独占的に販売しています。zenonは生産現場に必要とされる機能群を備えたプラットフォームとして、自動車、食品・飲料、医薬品等、多くの業界のユーザに長年定評を得ており、例えば、海外の自動車業界では、フォルクスワーゲン、BMW、アウディといったトップメーカでIIoTプラットフォームとして幅広く利用され、日本国内では、2019年にトヨタ自動車でのプロジェクトが開始、順次、生産現場への導入が進められています。
「zenon 8.20」では、これまで培ってきた、開発環境の使いやすさや豊富な標準機能群といったzenonの特長を、スマートオブジェクト機能、Docker(注)への対応、イベント履歴のカテゴリ化といった新機能により、さらに強化しています。

zenon 8.20の概要および新機能は、下記の通りです。

zenon 8.20概要

製品名:    「zenon 8.20」
提供開始日:    2020年6月15日
提供形態:    Webサイトよりダウンロード

新機能詳細

■スマートオブジェクト
今回追加されたスマートオブジェクト機能は、以前作成した画面や機能をテンプレート化する機能です。これまでは、例えば、新たな監視画面を作成する際には、以前類似の画面を作成していたとしても、その都度、画面の切替、値書き込み、変数の割り当てといった設定作業が再度必要となっていました。今回のスマートオブジェクト機能の追加により、良く使う画面のパターンについてはテンプレート化が可能になり、画面作成にかかる各種設定作業が大幅に簡略化され、プロジェクトの開発効率が大幅に向上されます。
■Dockerへの対応
コンテナ型仮想化技術であるDocker上でzenonを実行することが可能になりました。Dockerでは、従来のホスト型やハイパーバイザー型の仮想化技術とは異なり、ハードウェアのエミュレータが不要で、より少ないリソース消費量で仮想化が可能です。すなわち、一台のサーバで複数のzenonの実行環境を動かし、ハードウェアコストを削減する、といったことが可能になります。
(注)Dockerについて
Dockerはコンテナ型仮想化技術の一つです。従来の仮想化技術では、ハイパーバイザと呼ばれる専用ソフトウェアの上で、複数の独立したゲストOSを用意し、仮想マシンを稼働させ、アプリケーションを実行します。この仕組みでは、仮想マシンごとにハードウェアのリソース(CPU、メモリ等)を用意する必要があり、多くのリソースを消費します。一方で、Dockerを代表とするコンテナ型仮想化技術では、OS(カーネル)を共有する形で、コンテナ管理ソフトウェアの上で、独立したアプリケーションの実行環境(コンテナ)を用意します。単独のOS上で動くため、従来の仮想化技術と比較し、リソース消費は少なく、より多くのコンテナ(アプリケーション)を稼働させることが可能です。

出所:Docker社ホームページ(https://www.docker.com/resources/what-container
■イベント履歴リスト(監査証跡)のカテゴリ分け
イベント履歴リスト(監査証跡)機能は、zenonの実行環境上で、アラーム情報や、誰が、いつ、何を、なぜ行ったかといった各種イベント情報を検出し、タイムスタンプ付きで、改ざん不可能な形で記録する機能です。今回のカテゴリ分け対応により、膨大なイベントデータについて、必要なカテゴリを設定し、カテゴリごとに分けて情報を抽出、表示できるようになり、より早く、確実に、ユーザが必要とする情報を抽出できるようになりました。
■zenon AnalyzerとPythonの連携
分析・レポーティングツールであるzenon Analyzerに、pyZANライブラリが追加されました。pyZANライブラリにより、zenon Analyzerのメタデータ含む各種データがPythonで活用可能になり、例えば、zenonで収集したデータをベースに、Pythonで機械学習を行い、予兆保全の取り組みに活用するといったことが可能になります。
■その他
ジェイテクト社製PLC「TOYOPUC」ドライバが標準ドライバとして追加されました。